なぜ「良いことをしている事業」ほど失敗するのか

「良いこと」と「続くこと」はまったく別物

私が関わっている水耕栽培は、その典型例である。

食料を安定的に生産する。
環境負荷を下げる。
地域雇用を生む。

どれも否定しようのない「良いこと」だ。

しかし、事業として成立するかどうかは別の話である。

 

投資である以上、回収できなければ意味がない

本来、投資とは回収して初めて成立する。

  • 借金をするなら返済計画が必要
  • 設備投資をするなら回収年数を考える
  • 赤字が続く場合の撤退条件を決めておく

これらを考えずに始める事業は、
理念以前に設計が破綻している

 

水耕栽培が「黒字化しにくい」構造的理由

水耕栽培は一見、工場で安定的に生産できるように見える。

しかし実際には、

  • 電気代が非常に大きい
  • 設備投資額が高い
  • 原価償却費が重くのしかかる
  • 作物を高値で売るのが難しい

といった構造を持つ。

収率が上がっても、
栽培コストが3倍になるケースも珍しくない。

結果として、
「うまくいってもトントン」
という状態が関の山、という事業が多い。

 

事業を始めてから分かることは、実は少ない

こうした問題は、

やってみないと分からない

と言われがちだが、これは正確ではない。

多くは、始める前から予想できる。
そして、本来は予想すべきだ。

 

30万〜100万で、1億円の失敗を避けられるなら

仮に、

  • 数十万円〜100万円の調査・評価で
  • 数千万円〜1億円規模の失敗を回避できる

としたら、それは高いだろうか。

私は安い投資だと思っている。

 

なぜ人は「調査」にお金を使わないのか

多くの人は、

  • 事前調査にはお金を出し渋り
  • 事業開始後の赤字や借金には耐え続ける

という、矛盾した選択をする。

しかし本来は逆である。

事前に可能性を評価することにこそ、お金を使うべきだ。

 

事業は「石橋を叩きながら」進めるもの

ビジネスは勢いで走るものではない。

  • リスクはどこにあるか
  • 誰がそのリスクを負うのか
  • リターンはどこから生まれるのか

これを冷静に見極めながら進めるものだ。

善意や熱意は大切だ。
しかし、設計が伴わなければ事業は続かない。