1. 前提条件(かなり一般的なモデル)
① 物件条件
- 平屋または賃貸物件を想定
- 家賃:月10万〜20万円
(今回は試算を単純化するため、家賃は人件費側に含めて考えます)
② 設備条件
- 洗濯機:6台
- 設備投資:
本体・工事・内装・その他含めて
約2,000万円と仮定
③ 資金調達
- 借入額:4,000万円
- 金利:2.5%
- 返済期間:15年
→ 毎月の返済額は 約366,000円
2. 固定費の整理
毎月必ず発生するコストです。
- 人件費(清掃・管理等):330,000円
- 店舗の電気代(照明など/洗濯機除く):5,000円
- 借入返済:366,000円
固定費合計:701,000円/月
この時点で重要なのは、
売上がゼロでも毎月70万円以上が出ていく構造だという点です。
3. 変動費(1回利用あたり)
洗濯1回(60分・800円)の想定
- 電気代
- 約1.0kWh
- 電力単価:36.6円
→ 36.6円
- 水道代
- 使用量:150〜250L
→ 75円(上限で計算)
- 使用量:150〜250L
- 洗剤代:10円
合計:121.6円/回
4. 1回あたりの粗利
- 売上:800円
- 変動費:121.6円
→ 粗利:678.4円/回
5. 損益分岐点の計算
月の損益条件
売上 − 固定費 > 0
固定費は701,000円なので、
最低でも月701,000円以上の売上が必要です。
利用回数に直すと
701,000 ÷ 678.4 ≒ 1,033回/月
つまり、
月に1,033回以上洗濯機が回らないと黒字にならない
ということになります。
6. 稼働率に置き換えてみる
洗濯機6台が、
- 24時間
- 30日
- 常に回せると仮定すると
24 × 30 × 6 = 4,320回/月
損益分岐点で必要な回数は1,033回なので、
1,033 ÷ 4,320 ≒ 25%
7. 重要なのは「この25%をどう見るか」
稼働率25%。
これは、
- 常に満席である必要はない
- ただし「ガラガラ」でも成立しない
という、微妙なラインです。
ここがコインランドリー経営の本質だと思います。
8. 稼働率を左右する要因
この25%を安定的に超えられるかは、
以下の要因に強く依存します。
- 近隣のコインランドリーとの距離
- 駐車場の有無
- 周辺人口・住宅密度
- 徒歩・車でのアクセス
- どんな人が住んでいるか
特に重要なのは利用者属性です。
9. ターゲットは誰か
感覚的には、
- ファミリー層
→ 自宅洗濯+大型物のみ利用 - 一人暮らし(会社員・若者)
→ 日常的に利用しやすい
稼働率を上げやすいのは後者です。
つまり、
- アパートが多い
- 住宅が比較的狭い
- 一人暮らしの社会人が多い
こうしたエリアの方が、
回転数が上がりやすい構造になります。
10. まとめ:コインランドリーは「立地×稼働率」の事業
今回の試算は、
あくまでかなりラフなモデルです。
ただし、このシミュレーションだけでも分かるのは、
- コインランドリーは「放置で儲かる」事業ではない
- 成否は稼働率25%を安定して超えられるか
- その鍵は立地と利用者属性にある
ということです。